羊頭狗肉 2012 1 21

 債務者から「借金を減らしたい」と言ってきたら、
債権者は、何を連想するでしょうか。
普通は、人件費の削減と資産の売却でしょう。
 ところが、債務者は、こんなことを言ってきたとします。
「人件費の削減は、労働組合の反対で、無理だった。
資産の売却は、経営陣の反対で、できなかった。
だから、主力商品の値上げをする」
 このような企業(組織)が存在するでしょうか。
実は、存在します。
 日本の場合は、国債は国内で消化されています。
外国に借金をしなくても国債の消化ができるのです。
 このような場合は、
国民が債権者、政府が債務者となります。
 正確に言えば、国民は銀行に貯金し、
銀行は、その資金で国債を買っていますので、
国民は、間接的な債権者と言えるでしょう。
 いずれにせよ、債権者である国民は、
債務者である政府に対して、
「何とかしろ」と声を上げるべきです。
 最近のニュースでは、
独立行政法人の改革で、
「4割削減」というニュースが流れています。
 これを聞くと、「大改革」と思うでしょうが、
いつの間にか、ごまかされています。
「歳出」が4割削減ならば、「すごい」と思うでしょうが、
実際は、「法人の数」が4割削減という話です。
 これは、実質的に「官僚の勝利」に終わったと言えるでしょう。
法人の数だけ減らすならば、
いくらでもテクニックが使えるでしょう。
 今回、問題になっているのは、
歳出を減らし、歳入を増やす話です。
つまり、「金額」が問題になっているのです。
それなのに、「数」を持ち出すところが、「ごまかし」と言えるでしょう。
 しかし、国会議員は、官僚に対して、弱い立場にありますので、
なかなか「歳出」の改革はできないでしょう。
 ただし、官僚に「歳出削減」をやらせると、怖いものがあります。
基本的に、役人は横並びですから、
A省のA法人、B省のB法人、C省のC法人・・・・・とあった場合、
一律に10%と、やってしまう可能性があります。
 しかし、A法人は、これから将来性がある法人、
B法人は、歴史的な役割を終えている、
あるいは今の時代に合わないという法人だとしても、
一律に10%カットとなる可能性があります。
 だからこそ、政治家がリーダーシップを発揮して、
メリハリのある削減を実施すべきです。
 「羊頭狗肉」
出典は、中国の禅書「無関門」からで、
羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売る意味が転じて、
見かけは立派だが、実質が伴わないこと。
 民主党は、さきの衆院選公約で、全廃を含めた抜本的見直しを掲げていました。
国民は、「マニフェスト詐欺にあってしまった」と思っているでしょう。

アナウンサー announcer 2003 9 19
 アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことです。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーです。
 まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して用意してあります。
もちろん、能力がある人は、
官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は、必要ありません。
大臣の「談話」や「コメント」も、基本的に、官僚が作成しています。
 さらに、国会答弁。
これも、官僚が、事前に答弁書を作成して、用意してあります。
 なぜ、事前に答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前にわかっているのです。
 だから、若手官僚が、質問する予定の議員のところへ行って、
事前に質問内容を聞いてくるのです。
 ここは、野党議員も、癒着していますので、
質問内容を、事前に官僚に教えてくれます。
 そこで、教えてもらった質問内容を、官僚は省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
 詳しくは知りませんが、
課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、課長と協議して、
最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
 何日か後の国会で、予定された質問を、
野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという「芝居」です。
 大臣、官僚、野党議員と長年に渡る「癒着構造」です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、
事前に教えた質問とは違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は立ち往生して、
後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
 また、何かの記念式典で、
大臣が、あいさつしますが、
この「あいさつ文」も、官僚が事前に作成したものです。
 極端な話、誰でも、大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でもできます。




































































































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